三振の山を築いた最終調整登板
大谷翔平にとってスプリングトレーニング最終登板となったこの日、ドジャースはかつての所属チームであるエンゼルスとの対戦カードを組んだ。チームは6イニングの完投を目標に掲げていたが、結果は4回1/3で79球。しかしその内容は、開幕戦への期待を大きく膨らませるものだった。
大谷は最初の4イニングで早くも走者3人を許したものの、その間に三振を量産。ファストボールで5個、スイーパーで2個、シンカーで1個、そしてカーブで3個と、持ち球すべてで空振りを奪った。特にカーブは昨季の使用率が10%未満だった球種だが、この日は3奪三振を記録し、配球の幅が広がっていることを示した。
5回には3連続シングルヒットを浴びて降板となったが、自責点はゼロ。三振を奪いすぎたことでピッチカウントが急増し、チームが設定した球数目標に到達したための交代だった。ロバーツ監督は試合後、「また良い登板だったと思う。彼は準備万端だ」とコメント。捕手のウィル・スミスも「2度目の登板に過ぎないが、彼は状態が良いと思う。受けていて良く見えた」と手応えを語った。
WBC参加を挟んだ異例の調整
今回のスプリングトレーニングは、大谷にとって異例の展開となった。ワールドベースボールクラシックに日本代表のクリーンアップとして参加し、打者専念で8日間チームを離れていたからだ。その間、投手としてはブルペン投球と4イニングのシミュレーションゲームのみ。ドジャース首脳陣は彼の状態を直接確認できない日々が続いた。
しかし帰還後の前回登板で、大谷は最速99.9mphを計測してトリプルデジット到達目前まで球速を戻し、不安を払拭。今回の登板でも球種ごとに三振を奪う投球内容を見せ、開幕への準備が整っていることを証明した。6日前のアリゾナでの登板も4回1/3を無失点と、2度連続でスコアレスに抑えている。
フルシーズン登板への現実的な道筋
大谷は昨季、第2回目の肘手術からの復帰シーズンとして14先発に登板し、防御率2.87、62奪三振、9四球という内容で47イニングを投げた。ポストシーズンではさらに20回1/3を投げ、合計で67回1/3のマウンド経験を積んだ。段階的に登板数を増やしてきた結果、今季はフルシーズンでの先発ローテーション入りが現実的な目標となっている。
ロバーツ監督は「6日ごと、7日ごとに投げる状況ではないと言って安全だと思う。意欲は高い。現実的だと思う。より大きな問題は、それをどう管理し乗り越えるかだ」と語り、フルシーズン登板の可能性を認めた。ドジャースはオフデーを最大限活用して登板間隔を調整する方針で、大谷が4年ぶりにフルシーズンを投げ抜くための環境を整えている。
開幕戦は火曜日、ガーディアンズ戦
大谷の今季初マウンドは、翌火曜日のクリーブランド・ガーディアンズ戦となる。スプリングトレーニングでの2度の登板はいずれも4回1/3で無失点。合計で21個の三振を奪い、カーブの精度向上など新たな武器も加わった状態での開幕を迎える。
昨季はレギュラーシーズン14先発に留まったが、今季は本格的なシーズンを通しての二刀流復活が期待される。スプリングトレーニング最終登板で見せた11奪三振の圧巻の内容は、その期待に応える準備が整っていることを雄弁に物語っていた。火曜日のガーディアンズ戦で、大谷翔平の2026年シーズンが本格的に始まる。


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